半導体・モジュール部品の検査に使うテストソケットを設計・製造する株式会社SDK様(神奈川県横浜市)で、AI未経験の全社員を対象に、3週にわたって3日間の「ビジネス職向けClaude研修」を実施しました。
展示会での出会いから導入の決め手、3D CADで作った図面を2D図面に描き直すという現場の課題、そして研修を終えて社長が語った「使う側の意識改革が大事」という言葉まで。高田代表取締役社長と、技術部門を率いる斉藤執行役員に伺ったインタビューを、動画とあわせてお届けします。
※ 本記事は動画の内容を編集部が再構成したものです。発言の趣旨は変えず、言い回しのみ読みやすく整えています。
研修の概要:3週にわたる3日間
研修は1日ずつ3週に分けて実施し、Claudeの基本から自動化・ガバナンスまでを段階的に扱いました。
- Day 1:Claude入門。チャットとの違い、Cowork(一度指示すると自律的に作業を進める機能)の体験
- Day 2:SkillsとMCP。自社の手順をClaudeに覚えさせ、外部ツールと接続して自動化する
- Day 3:自律実行とスケジューリング、そして安全に使うためのルール(AIガバナンス)
最終日は「どういう情報なら入れてよいか」「どういう使い方なら許容できるか」という観点を共有し、受講者自身が社内ルールを決められる状態をゴールにしました。
高田社長インタビュー:半信半疑から「何でもできる」へ
きっかけは展示会。「他のブースとは切り口が違った」
出会いは展示会「NexTech Week」でした。高田社長は「AIで何ができるのか、自分自身が勉強不足だった。全体感をつかみたくて一人で行った」と振り返ります。
人事系の課題を解決します、議事録を自動生成します、といったブースはたくさんありました。ただ、素人なりに言えば、それは想像できる範囲のことで、意外と面白くないなと感じていたんです。(高田 代表取締役社長)
その中で足を止めたのが、蓄積したナレッジをリアルタイムに活かし、商談中に「この質問がまだ聞けていない」と指摘してくれる numoment のプロダクト「Stand」でした。
こういうものをリアルに使っていけるなら、いろいろなことを発展的に組み合わせられるんじゃないか。そこで自分の想像力がつながったんです。面白そうだと思って、その場でアポイントを取りました。(高田 代表取締役社長)
決め手は「自社の実態を見た上で提案してくれる」こと
改めて話を聞いた高田社長が重視したのは、パッケージを売るのではなく、業務内容をヒアリングした上で提案する姿勢でした。
AI、AIと言われても、AIには幅があり、どのAIをどの業務に使えばいいのかが分からない。いろいろなAIを見てきた専門家が、当社の実態を把握した上で「こういう使い方がいいのでは」と提案してくれる。営業の熱意と、カスタマイズ提案。その2つが決め手でした。(高田 代表取締役社長)
現場の課題:3D CADで作った図面を、2Dに描き直す
SDK様は設計会社です。顧客から難度の高い課題や「世の中にないもの」を求められ、それをクリアすることに力を注ぎたい。一方で、設計プロセスにはそうではない工程も多く残っています。
3D CADで図面を作っても、製造を依頼する際には2D図面に落とし直さないと対応してもらえない。せっかく作った3Dがあるのに、また2Dに描き直す。非常に非効率ですし、よりクリエイティブな仕事をしてほしい人たちに単純作業をしてもらうことに、もったいなさを感じていました。(高田 代表取締役社長)
「AIでできるかどうかも分からない状態だった」と語る一方で、こうした工程を取り除ければ設計に想いをかけられる、それが売上やキャパシティの拡大につながる、という期待が導入の背景にありました。
なぜChatGPTでもGeminiでもなく、Claudeだったのか
知名度ではChatGPTが先行し、本来なら各社のAIを比較した上で選ぶのが一般的です。それでもClaudeで進めた理由を、高田社長は「タイミングと課題意識の一致」と表現します。
numomentさんがClaudeベースで提案してくれていたこと、価格体系が明確だったこと。加えて、ちょうど経営メンバーの間で業務効率化の話が出ていて、「Claudeは聞いて答えてくれるだけのものとは違うらしい、もっと幅広い使い方ができるらしい」と話題になっていた。それで「お願いしてしまいましょう」と、とんとん拍子に進みました。(高田 代表取締役社長)
研修を終えて:「とにかく何でもできる」「使う側の意識改革が大事」
3日間の研修を終えた感想を尋ねると、高田社長は少し考えてからこう答えました。
一般的かどうかは分かりませんが、とにかく何でもできる。僕らの世代は制約の中でどう工夫してやるか、それが自分の価値の出し方だという積み上げをしてきました。でも、そこに本当にとらわれずに、「こんな丸投げでできるはずがない」と思うことができる。使う側の意識改革が大事ですね。(高田 代表取締役社長)
少しずつ触りながら、それぞれの使う人の個性を組織として活かす。ルーチンワークは自動化して、クリエイティブな仕事に人が注力できる環境を会社として作っていく。Claudeもどんどん進化するので、そこに追いつきながら使い込んでいきたいと思っています。(高田 代表取締役社長)
斉藤執行役員(技術部長)インタビュー:Claudeは「気づきをくれる相棒」
斉藤執行役員は設計メンバーのスケジュールや新規開発のマネジメントに加え、2030年を見据えた中長期のテーマや、メンバーが自由に研究開発する小集団活動を率いています。
技術者はシナリオを決めて進める。Claudeはそこに「気づき」を足す
技術の仕事は、レポート1つでもデータ解析でも、ある程度シナリオを決めて進めます。Claudeは、僕からすると「使って気づきをもらう」ツールです。投げたデータで綺麗な資料ができた、ではなく、それが自分のストーリーになっているか。自分では気づかなかったデータを見つけさせてくれる。そこに非常に使えると感じています。(斉藤 執行役員 兼 技術部長)
綺麗なものができたからOK、では考えが薄まってしまう。そこから何を見出すかが大事で、違うことをやればまたClaudeが答えてくれる。常に新しい「なるほど」が生まれる使い方をしたいですね。アイデアや提案を出してくれる、相棒という感じです。(斉藤 執行役員 兼 技術部長)
今後:各部門で「Skill」を作り、マージして大きくしていく
まず各部門で1つ、Skillとしてまとめたものを作る。通常の設計で使うもの、プロジェクトごとのもの。自分の手順書をSkill化して動かしてみると、何が足りていて何が足りないかが分かってくる。一人の力というより、みんなが作ったものをマージして大きくしていく作り方をしたい。今がチャンスなので、鉄は熱いうちに打て、で加速していきます。(斉藤 執行役員 兼 技術部長)
この事例から学べる3つのこと
- ツールを配るだけでは定着しない。全員が同じ研修を受けて「使う側の意識」をそろえることで、社内の共通言語ができる
- AI導入の起点は「現場のもったいない仕事」を言語化すること。3D→2D図面の手戻りのように、具体的な工程を挙げられると効果が見えやすい
- 研修のゴールは操作習得ではなく、自社の手順をSkillとして内製化し、組織で共有・改善し続ける体制を作ること
numomentのClaude研修について
本事例で実施した「ビジネス職向けClaude研修 3日版」をはじめ、1日版、エンジニア向けのClaude Code 2日版を提供しています。受講企業の業務内容をヒアリングした上でカリキュラムをカスタマイズし、研修後は効果測定レポートをお届けします。
カリキュラム・料金・ROI試算シートを含むサービス資料は、 Claude研修パッケージのページ から無料でダウンロードできます。
インタビューの全編(15分)は YouTube でご覧いただけます。