Google I/O 2026で発表されたAntigravity SDKは、Google Antigravityのエージェントハーネスを自社環境から直接使いたい開発チーム向けの選択肢です。公式ブログでは、SDKはGoogle製品を支える同じハーネスへプログラムからアクセスでき、独自のエージェント挙動を定義して任意のインフラでホストできると案内されています。つまり、CLIやデスクトップ版をそのまま使う段階から一歩進み、社内ルールや独自ツールを組み込んだ運用に踏み込むための基盤です。
Antigravity SDKとは何か
公式のI/O 2026発表では、Antigravity SDKはGemini向けに最適化されたエージェントハーネスへプログラムからアクセスする仕組みと説明されています。ドキュメントでも、Pythonベースで独自エージェントを構築し、カスタムツール登録やライフサイクルフック実装を載せられると整理されています。判断軸は明快で、単にエージェントを使いたいならAntigravity 2.0やCLI、社内固有の承認フローや監査処理まで埋め込みたいならSDKです。
subagentsを使うべき場面
公式ドキュメントでは、subagentsは複雑な作業を並列化し、親エージェントのコンテキストを汚さずに進めるための仕組みです。たとえば1本の親エージェントに仕様整理を続けさせながら、別のsubagentで大規模コード検索、テスト実行、ブラウザ検証を並列に回す構成が向いています。逆に、短い1ステップ処理や逐次判断が必要な作業では分割コストの方が重くなります。判断基準は、作業を30分以上の独立タスクに切り出せるか、結果だけ受け取れば親が次へ進めるかの2点です。
hooksを使うべき場面
hooksは、ツール実行前後やモデル呼び出し前後などの節目でコマンドや検査を差し込む仕組みです。公式Hooksドキュメントには、PreToolUse、PostToolUse、PreInvocation、PostInvocation、Stopといったイベントが定義されています。実務で効くのは、run_command前に危険コマンドを弾く、PostToolUseでlintやテストを走らせる、停止時にログを保存する、といった統制用途です。人のレビューに頼る運用を減らしたいチームほど、hooksを先に設計した方が事故を減らせます。
非同期タスク管理を使うべき場面
Antigravity 2.0と共通ハーネスの中核には、長時間処理で本流を止めない非同期実行があります。公式ドキュメントでは、Asynchronous SubagentsやScheduled Tasksが主要機能として挙がっています。向いているのは、依存パッケージのインストール、数分以上かかるビルド、定期バッチ、評価ジョブのように待ち時間が長い処理です。反対に、結果を即見ながら次の指示を変える対話型作業は同期のままの方が安全です。『待つだけの時間が発生するか』を見て、発生するなら非同期化を優先します。
実装判断はこの順で進める
導入判断では、まず『GUI中心か、コード中心か』を決めます。GUI中心ならAntigravity 2.0、ターミナル中心ならCLI、独自ルールを組み込んだ配備や評価まで回すならSDKです。そのうえで、並列に切れる仕事だけsubagentsへ出し、品質ゲートや監査を自動化したい部分だけhooksで縛り、時間のかかる処理だけ非同期タスクへ逃がします。全部を最初から盛り込むより、1) 親エージェント1本、2) subagent1本、3) PostToolUseのlint、4) 夜間の定期ジョブ、の順で広げる方が失敗しにくいです。
FAQ
Q. SDKはCLIの代わりですか。A. 代替というより拡張です。CLIは操作面、SDKは自社アプリや運用基盤にハーネスを埋め込む面で使います。Q. subagentsと非同期タスクは同じですか。A. 同じではありません。subagentsは役割分担、非同期タスクは待ち時間の切り離しです。Q. hooksは全イベントで必要ですか。A. いいえ。まずは危険コマンド抑止やlint自動化のように、事故率を下げる場所から入れるのが現実的です。
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