GitHub Copilotは2026年6月1日から、Premium Requests中心の見方ではなく、GitHub AI Credits基準のusage-based billingへ移行します。移行前の準備だけで終えると、月末に請求差分が見えない、未使用席が残る、上限到達で現場が止まる、といった運用事故が起きやすくなります。この記事では、情シス責任者と開発部長が毎月確認すべき監査項目をGitHub公式ドキュメントに沿って整理します。
先に結論を書くと、月次監査は「請求差分」「席の実利用」「追加利用の停止条件」の3本柱で回すのが安全です。Copilot Businessは1ユーザーあたり月1,900 AI Credits、Copilot Enterpriseは3,900 AI Creditsが標準で含まれ、既存顧客は2026年6月1日から9月1日までBusiness 3,000、Enterprise 7,000のプロモ枠があります。
月次監査で最初に見る3指標
1つ目はライセンス請求とAI Credits利用額の差分です。移行後は同じCopilot費用でも、席数の増減とAI Credits超過分が別要因で増えるため、請求書を合算で眺めるだけでは原因が分かりません。月初に前月の請求額を確定し、ライセンス固定費と超過利用費を分離して記録します。
2つ目は実利用席数です。Seat assignmentの仕様では、同一enterprise内で複数orgから同一ユーザーへ席を付与しても請求は1回ですが、どのorgが請求対象になるかは毎月ランダムです。Business席とEnterprise席が重なる場合はEnterprise料金が優先されるため、月次棚卸しを怠ると配賦がぶれます。
3つ目は停止条件です。追加利用を許可するかどうかと、予算到達時に止めるかどうかは別設定です。追加利用を許可していても、SKU別またはbundled budgetで「Stop usage when budget limit is reached」が有効なら、予算消化時点で利用は止まります。ライセンス予算は監視専用で、超過を自動停止しません。
請求差分はどこで確認するか
毎月1営業日にBilling & LicensingのUsage画面で product:copilot を確認し、Group by: SKU でCopilot Business / Enterpriseとmetered usageを分けて見ます。Premium request analyticsではモデル別や機能別の利用も追えるため、急に高単価モデル比率が上がった月を早めに検知できます。usage reportは1ユーザー・1モデル・1日単位でCSV化できます。
確認観点は3つです。前月比で席数が増えたか、AI Credits超過が発生したか、どのcost centerに寄ったかです。GitHub公式はenterprise-level、organization-level、cost-center-level、user-levelの4階層予算を案内しているため、月次監査表も同じ粒度に合わせると差分追跡が楽になります。
未使用席と二重付与をどう減らすか
GitHubの公式ガイドは、低利用ユーザーを特定して案内し、それでも使わない場合はライセンスを回収する運用を推奨しています。月次では、usage reportやPremium request analyticsから「付与済みだが前月利用が極端に少ない人」「Businessで十分なのにEnterprise席が付いている人」「異動後も旧orgの席が残っている人」を確認します。
特に注意したいのは、月初の組織変更とPoC終了後の放置です。enterprise内の重複請求は1回でも、配賦先orgが毎月変わりうるため、未整理のままでは部門予算の説明がぶれます。月次監査では「新規付与」「未使用30日超」「Enterprise昇格中」「回収候補」の4区分で一覧化すると整理しやすいです。
上限超過を防ぐ設定
移行後は、Premium request paid usage policyが有効かどうか、予算がbundledかSKU別か、stop usageをどこで掛けるかを毎月点検します。GitHub公式では、どれか1つでも適用中の停止型budgetが尽きると追加利用がブロックされると説明しています。つまり「enterprise全体では余裕があるのに、特定cost centerだけ止まった」という事態は普通に起こります。
モデル単価も確認します。2026年5月28日時点のGitHub公式pricingでは、GPT-5 miniは入力100万トークンあたり0.25ドル、GPT-5.5は5.00ドル、Claude Sonnet 4.6は3.00ドルです。コード補完はAI Credits課金の対象外ですが、Chat、CLI、cloud agent、third-party coding agentsは課金対象です。
月次監査チェックリスト
毎月の実務フローは次の6点で十分です。1. Usage reportをダウンロードして請求差分を確認する。2. Billing & Licensingでproduct:copilotをSKU別に確認する。3. 低利用ユーザーと重複付与候補を洗い出す。4. cost center別に超過利用の偏りを確認する。5. stop usage付きbudgetの残高と、Premium request paid usage policyの設定を確認する。6. 高単価モデルやcloud agent利用が増えたチームに翌月の利用方針を共有する。
よくある質問
Q. 追加利用を止めたいなら、ライセンス予算を設定すれば十分ですか。A. 十分ではありません。GitHub公式ではライセンス予算は監視専用で、利用停止にはPremium RequestまたはAI Credits側のbudget設定が必要です。Q. Business利用者の一部だけ上限を緩めたい場合はどうしますか。A. cost centerやuser-level budgetで分けるか、月800 premium requests超が続く利用者をCopilot Enterpriseへ寄せる方法が案内されています。
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