OpenAIはChatGPT Enterprise向けに、Custom GPTを段階的に終了し、pluginsへ移行する計画を案内しています。管理者が今見るべき点は、12月11日の標準終了日だけでなく、10月26日の新規作成終了、共有範囲、接続アプリ権限、移行後の運用責任です。
この記事では、公式リリースノートで示された日程を前提に、既存GPTを業務で使っている企業が30日で棚卸しするためのチェックリストを整理します。
何が変わる?今回の発表の要点
OpenAIのChatGPT Enterprise and Edu release notesでは、Custom GPTsをretireし、reusable instructionsとconnected appsを組み合わせられるpluginsへの移行パスを提供する計画が示されています。既存GPTは該当する終了日までは利用可能ですが、権限やワークスペース設定の影響を受けます。
影響が大きいのは、部門ごとにGPTを作って業務手順、回答テンプレート、社内ナレッジ検索、申請フローを埋め込んでいる組織です。単なる作成画面の変更ではなく、「誰が所有し、誰に共有され、どの接続アプリを使うか」を改めて管理する更新と捉えるべきです。
日程表:9月22日、10月26日、12月11日を分けて見る
公式ノートで示された主な日程は3つです。移行機能の提供予定が2026年9月22日、新しいGPT作成の終了予定が2026年10月26日、標準のretirement予定が2026年12月11日です。すでに遅延移行バナーを選んだワークスペースには2026年10月1日のバナー目標、承認済みの延期対象には2027年2月11日の終了日が示されています。
したがって、10月中に「新規作成を続ける」前提で計画を組むのは危険です。11月は移行テスト、12月前半は利用者への切替告知と停止確認に使う前提で逆算すると、10月中旬までに棚卸しを終えるのが現実的です。日程は変更される可能性があるため、最終判断は自社ワークスペースの通知で確認してください。
対象読者は誰か
対象は、ChatGPT EnterpriseでCustom GPTを業務利用している管理者、DX推進、情報システム、各部門のAI推進担当です。特に、営業提案書、社内FAQ、法務レビュー、問い合わせ一次回答、研修教材作成のように、定型プロンプトと外部アプリ連携をまとめているチームは早めの確認が必要です。
一方で、個人が試験的に使っているだけのGPTは優先度を下げられます。最初に見るべきなのは、利用者が多いもの、業務手順に組み込まれているもの、接続アプリやファイル権限を持つもの、作成者が退職・異動しているものです。
管理者が確認すべき5項目
1つ目は所有者です。GPTの作成者、実質的な業務オーナー、承認者を分けて記録します。作成者だけを見ていると、退職や異動で移行判断が止まります。2つ目は利用者です。全社共有、部門共有、少人数利用を分け、移行通知の範囲を決めます。
3つ目は接続アプリとデータ権限です。pluginsでは再利用可能な指示とconnected appsを組み合わせられるため、移行後も同じデータにアクセスしてよいかを確認します。4つ目はプロンプトとナレッジです。指示文、添付ファイル、期待する回答形式を取り出し、Plugin側で再現する要件に変換します。5つ目は監査です。移行後に誰が変更し、誰が使い、どのアプリに接続したかを確認できる状態にします。
30日移行フロー:棚卸しから本番切替まで
1週目は棚卸しです。管理画面や利用者ヒアリングでGPT一覧を作り、利用頻度、部門、接続アプリ、重要度をA/B/Cに分けます。2週目は移行対象の選別です。Aランクだけを先にPlugin化し、Bランクはテンプレート統合、Cランクは廃止候補にします。
3週目はテストです。代表ユーザーに同じ業務を実行してもらい、回答品質、操作回数、権限確認、監査ログを比べます。4週目は切替です。旧GPTの利用停止日、問い合わせ先、代替Pluginの名前、想定外の権限エラーが出たときの連絡方法を社内に案内します。
移行は「全部を残す」より「残す理由があるものだけ残す」ほうが成功しやすいです。Custom GPTが増えすぎた組織では、今回の変更をAI業務資産の棚卸し機会にできます。
Plugin移行で事故りやすいポイント
最も多い事故は、共有範囲を広げすぎることです。GPT時代に少人数で使っていた指示を、Plugin化のタイミングで全社に開くと、想定外の部門が未確認のワークフローを使う可能性があります。次に多いのは、接続アプリ権限の見落としです。ユーザー本人の接続権限、管理者の許可、Pluginの共有設定は分けて確認します。
また、GPTの説明文だけを移しても移行は完了しません。業務で本当に効いていたのは、暗黙の入力例、出力フォーマット、NG回答、参照ファイル、承認フローの組み合わせであることが多いからです。移行チェックでは、実際の業務サンプルを5〜10件用意し、旧GPTと新Pluginの出力を比較してください。
HelloCraftAIでは、ChatGPT EnterpriseやCodexを含む社内AI活用の設計、権限整理、移行チェックリスト作成を支援しています。Custom GPTからPluginへ移行する前に、業務影響と管理設計を一度整理したい場合は、 AI導入相談 からご相談ください。
FAQ
Q. すべてのCustom GPTがすぐ使えなくなりますか? A. 公式ノートでは、既存GPTは該当する終了日までは利用可能とされています。ただし、ワークスペースの権限や対象プランによって扱いが変わるため、自社管理画面の通知確認が必要です。
Q. 新しいGPTはいつまで作れますか? A. 影響を受けるEnterpriseワークスペースでは、2026年10月26日が新規作成終了予定として示されています。新規作成より、既存GPTの棚卸しとPlugin移行テストを優先するのが安全です。
Q. Pluginに移すべきGPTの優先順位は? A. 利用者が多いもの、接続アプリを使うもの、顧客対応や法務確認など業務リスクが高いものを先に移します。利用実態がないものは、移行せず廃止候補にしたほうが管理負荷を下げられます。