AI開発 · 2026.07.05

Genkit Agents APIとは?chat()・state persistence・human approvalで作る会話型AIアプリの実装方法を解説【2026年速報】

Genkit Agents APIとは?chat()・state persistence・human approvalで作る会話型AIアプリの実装方法を解説【2026年速報】

Genkit Agents APIは、会話型AIアプリで毎回つくり直していた履歴管理・ツール実行・ストリーミング・状態保持を1つのAPIにまとめる更新です。2026年7月1日にGoogleが発表し、TypeScriptとGoでプレビュー提供が始まりました。チャットUIを先に作るより、サーバー側でagentを定義し、同じchat()系インターフェースでローカル実行からHTTP公開までつなげられる点が実務上の変化です。

Genkit Agents APIとは

GenkitはフルスタックのAIアプリ向けOSSフレームワークです。今回のAgents APIは、その中でも『複数ターンの会話を持ち、必要に応じてツールを呼び、進捗をストリーミングし、ユーザーセッションをまたいで続ける機能』を標準化する役割を持ちます。Google公式ブログでは、従来は各プロジェクトで手作業になりがちだったmessage history、tool loop、streaming、persistence、frontend protocolをまとめて隠蔽すると説明しています。

何が変わるのか

一番大きい変化は、会話アプリの土台を毎回組まなくてよくなることです。Agents APIではserver-managedとclient-managedの両方の状態管理を選べ、history branching、long-running detached tasks、multi-agent coordinationまで視野に入れた設計になっています。さらにVercel AI SDK UIのuseChatとつなぐGenkitChatTransportも用意され、バックエンドとフロントエンドの結合を薄くできます。

加えて、Human approvalを前提にしたinterrupt/resumeの流れが組み込まれているため、支払い実行やデプロイのような承認付き操作を後付けで継ぎ足す必要がありません。実務では『どこまで自動化し、どこで人が止めるか』を最初から設計しやすくなるのが利点です。

実装の基本フロー

公式ドキュメントが示す共通パスはかなり明快です。まずmodel・instructions・toolsを持つagentを定義し、chat().send()かchat().sendStream()でローカル実行します。次に、履歴をサーバー側で持ちたい段階でsession storeを追加し、その後にHTTP endpointとsnapshot / abort系のエンドポイントを公開します。最後にremoteAgent()やHTTP clientでフロント側から呼び出す、という順番です。

保存先も用途別に分けやすく、in-memoryは検証、fileはローカル開発、Firestoreは本番向け、custom storeは独自DBや保持ポリシーが必要な場合に向くと整理されています。まずPoCではfileかin-memory、本番移行でFirestoreか独自ストアへ上げる構成が現実的です。

どんなチームに向くか

向いているのは、サポートbot、社内copilot、会話しながら進む申請支援、マルチターン前提の業務UIを作るチームです。特に『ツール呼び出しは必要だが、ADKほど大規模なオーケストレーション基盤までは不要』というケースに合います。Googleも、Genkit agentsはuser-facing appの中で使うapplication primitiveと位置付け、より複雑なmulti-agent orchestrationやmanaged runtimeが主目的ならADKを検討すべきだと案内しています。

導入前に確認したい3つの判断軸

1つ目は対象言語です。Agents API自体は現時点でTypeScriptとGoのプレビューなので、PythonやDart中心の本番案件なら即採用より追随を待つ判断もあります。2つ目は状態管理の責任をどこに置くかです。履歴・artifact・custom stateをサーバーで持つか、クライアントで持つかで運用負荷が変わります。3つ目は承認設計です。人の確認が必要な業務を含むなら、interruptとresumeを最初から設計に入れるべきです。

会話型AIをPoC止まりで終わらせず、承認設計や状態管理まで含めて業務実装したい場合は、要件整理の段階で設計を固める方が安全です。 HelloCraftAIに相談する と、Genkit・ADK・Difyなど複数候補を比較しながら進められます。

FAQ

Q. すぐ本番導入してよいですか? A. 現時点ではプレビューなので、破壊的変更を許容できる範囲での採用が基本です。まずは内製PoCや限定公開で検証し、セッションストアや承認フローを先に固めるのが無難です。

Q. ADK 2.0とどちらを選ぶべきですか? A. ユーザー向け会話機能を素早く組むならGenkit、複雑なmulti-agent orchestrationやmanaged runtimeが主目的ならADKが向きます。Q. フロント連携は難しいですか? A. remoteAgent()やVercel AI SDK UI連携があるため、独自プロトコルをゼロから設計する負担は小さめです。