Difyの料金は、2025年以前の「とりあえずSandboxで試す」だけでは判断しにくくなっています。2026年5月時点の公式Pricingページでは、Sandbox・Professional・Teamの3段階を中心に、メッセージクレジット、ナレッジ容量、ワークフロー実行、チーム人数、API制限まで細かく差が設計されています。つまり、単純に月額だけを見るとミスマッチが起きやすく、どの業務をDifyに載せるかまで含めて選ぶのが重要です。
特に最近は、社内FAQ、営業支援ボット、RAG検索、エージェント型ワークフローなど、Difyの使い道が増えました。その結果、無料でPoCまでは十分でも、本番運用ではナレッジの件数やリクエスト上限、ログ保持期間が先にボトルネックになるケースが増えています。この記事では、公式情報をベースに2026年版の料金差を整理し、無料でどこまで試せるか、有料化の分岐点はどこかを実務目線で解説します。
Difyの料金プランとは?基本情報をチェック
2026年5月時点のDify Cloudの主要プランは、Sandbox、Professional、Teamです。Sandboxは無料で始められる検証向けプラン、Professionalは少人数で本番導入したいチーム向け、Teamは部署横断で継続運用したい組織向け、という位置づけがわかりやすい整理です。Enterpriseは個別見積もりで、監査・セキュリティ・サポート要件が強い企業向けに切り出されています。
公式Pricingページでまず押さえたいのは、Difyの課金単位が「1ユーザー」ではなく「workspace」基準で設計されている点です。Professionalは1ワークスペース月額59ドル、Teamは1ワークスペース月額159ドルで、年払いにすると17%節約できます。チーム人数上限、アプリ数、ナレッジ件数、ストレージ、リクエスト上限がプランごとに変わるため、AI利用者の人数だけではなく、運用するアプリ群の数も判断材料になります。
無料のSandboxでも、200 message credits、5 Apps、50 Knowledge Documents、50MBのKnowledge Storage、Knowledge Request 10回/分、30日間のログ保持、月5,000回のAPI Rate Limitが含まれます。PoC用途としてはかなり試せる設計ですが、複数部署が並行して使うとすぐ上限に触れるため、検証と本番の境目を意識しておく必要があります。
Professionalでは、5,000 message credits/月、3 Team Members、50 Apps、500 Knowledge Documents、5GB Storage、Knowledge Request 100回/分、無制限ログ履歴、API rate limitなしに拡張されます。Teamではさらに、10,000 message credits/月、50 Team Members、200 Apps、1,000 Knowledge Documents、20GB Storage、Knowledge Request 1,000回/分まで広がり、部門展開に耐える構成になります。
- Sandbox: 無料。PoC・学習・小規模検証向け。
- Professional: 月額59ドル。小規模な本番運用や少人数チーム向け。
- Team: 月額159ドル。複数人・複数業務で継続利用する組織向け。
- 年払いは17%節約。短期検証なら月払い、本格導入なら年払いの検討余地が大きいです。
Difyの無料プランでできること
Sandboxは「無料版だから何もできない」わけではありません。むしろDifyの画面構成、ナレッジ登録、チャットアプリ作成、ワークフローの基本、モデル接続の考え方を理解するには十分な範囲があります。社内でDifyを評価する最初の1〜2週間は、Sandboxだけでも学べることが多いです。
たとえば、1つのFAQボットを作り、数十件の社内文書を投入し、検索品質と回答の安定性を見ながらプロンプトやchunk設定を調整する、という流れはSandboxで実践可能です。Knowledge Documentsが50件まで、Storageが50MBまでなので、製品マニュアル一式のような巨大データは厳しい一方、営業資料・社内規程・サポートテンプレートの検証には向いています。
また、5 Appsまで作れるため、1つの用途に絞らず、FAQボット、提案書作成支援、問い合わせ一次対応、議事録要約など複数のユースケースを並行比較できます。Difyの価値は単発デモよりも「どの業務で再現性が出るか」の見極めにあるので、無料枠のうちに比較検証を進めるのが有効です。
ただし、Sandboxの弱点も明確です。message creditsが200しかないため、複数人で触るとすぐ消費します。Knowledge Request 10回/分という上限も、同時アクセスが増えると待ちやすく、ワークフロー実行の体感が重くなる場面があります。つまり、Sandboxは性能評価の入り口としては優秀でも、本番の負荷試験には向きません。
- AIアプリの雛形作成、画面確認、ワークフロー学習には十分です。
- 少量文書を使ったRAG検証やFAQボット検証に向いています。
- 複数部門が同時に触る運用や、継続的な社内展開には上限が早く来ます。
Difyの有料プランの特徴と料金
Professionalは「個人開発者向け」というより、少人数で成果を出したいチーム向けの実務プランです。月額59ドルで3人まで参加でき、50アプリ、500ドキュメント、5GBストレージ、Knowledge Request 100回/分まで拡大されます。Sandboxより一気に運用幅が広がるため、PoCから本番の最初の段階へ移る際の最有力候補になります。
Professionalの価値は、単にクレジットが増えることではありません。Priority Document ProcessingとUnlimited Log Historyが入ることで、ドキュメント更新や障害切り分けがしやすくなります。RAGの品質改善では、どの文書がどの問い合わせで効いたか、ワークフローのどこで失敗したかを追えることが重要なので、ログ保持の差は見逃せません。
Teamは月額159ドルですが、50人まで参加でき、200アプリ、1,000ドキュメント、20GBストレージ、Knowledge Request 1,000回/分まで伸びます。実際には「人数が多いからTeam」ではなく、「複数部門のアプリを同じWorkspaceで継続管理したい」「ナレッジの件数が多い」「同時アクセスが常態化する」といった条件が出たらTeamの方が安全です。
Difyを営業、CS、社内ヘルプデスク、開発補助のように横展開していくと、アプリ数やナレッジ件数が先に膨らみます。そのとき、Professionalの料金は安く見えても、上限回避のためにアプリを削ったり文書を分割したりする運用コストが発生します。Teamは月額が上がる代わりに、運用の余白を買うプランと考えると判断しやすいです。
- Professionalは本番開始直後の小規模チームに最適。
- Teamはアクセス集中・アプリ増加・部門横断利用に強いです。
- 有料化の判断では、価格差だけでなくログ・処理優先度・運用負荷も見ます。
Difyの料金プランを選ぶ際のポイント
最初の判断軸は、「検証」なのか「本番」なのかです。検証ならSandboxで十分ですが、本番で社内外ユーザーに触らせるなら、トラブル時の追跡、ドキュメント更新頻度、同時アクセス数まで見ておくべきです。無料で作れたことと、安定運用できることは別問題です。
次の判断軸は、AIアプリの数とナレッジ更新頻度です。Difyでは1つの部門が使い始めると、別用途のアプリ追加が自然に増えます。FAQだけのつもりが、提案書生成、問い合わせ分類、議事録整理へ広がるのはよくある流れです。そのため、いまの用途だけでなく、3か月後にアプリが何本まで増えそうかを先に見積もると、プラン変更の手戻りを減らせます。
さらに、外部LLMの利用コストはDify本体の月額とは別に考える必要があります。Difyの料金だけ見て安いと判断しても、OpenAIやAnthropic、Azure OpenAIなどの推論コストが膨らめば総コストは上がります。特にRAGの再検索、長文要約、複雑なワークフロー分岐が多い場合は、Difyのプラン料金よりモデル利用料のほうが大きくなることもあります。
そのため、導入判断では「Difyの月額」「外部モデル利用料」「運用担当の工数」をセットで比較するのが現実的です。社内にAI運用の知見が少ない場合は、少し高くてもログと管理性が高いプランを選んだほうが、結果的にトータルコストを抑えやすいです。
- 利用人数だけでなく、アプリ数・文書件数・同時アクセスを見積もる。
- Dify料金とLLM従量課金は別物として管理する。
- 運用担当者の工数削減まで含めてプランを選ぶ。
まとめ:Difyの料金プラン選びで失敗しないために
2026年5月時点のDify料金は、Sandbox無料、Professional月額59ドル、Team月額159ドルが基本線です。SandboxでもPoCは十分できますが、message credits、Knowledge Request、ストレージ、ログ保持の上限が本番化の壁になります。Professionalは少人数の本番運用、Teamは組織展開に向く、という理解が最も実務的です。
重要なのは、今の用途だけで選ばないことです。AI活用は一度成果が見えると横展開しやすく、あとからアプリ数やナレッジ件数、アクセス量が膨らみます。早い段階で「どの部門まで広げるか」「どのモデルを使うか」「誰が運用するか」を整理しておくと、料金プランの選び方がかなり明確になります。
自社の用途に合わせたDify設計や導入判断を急ぎたい場合は、/contact/ からご相談ください。
導入前に要件整理や内製/受託の切り分けまで相談したい場合は、 HelloCraftAIの問い合わせページ から状況を共有してください。料金比較だけでなく、実運用に合う設計まで含めて検討しやすくなります。